解雇の事実を主張するユニオンと団体交渉を成立させた福岡市内のT社
業種 | 通信 |
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従業員数 | 10人程度 |
ユニオンの要求内容 | 未払賃金・解雇予告手当の支払いなど |
解決までの期間 | 10か月程度 |
状況
T社は福岡市内でウェブ関連のIT事業を営む会社です。
T社は福岡を中心に通信業を営む会社です。
YさんとZさんは、求人によりT社に応募し、パートタイマーとしてT社に入社しました。
YさんとZさんの業務成績が不良であったことから、担当者から業務内容の確認と教育を行い、また、場合によっては業務内容を変更することなどを伝えました。
その後、無断欠勤や欠勤が続いた後、T社にユニオンから電話でYさんとZさんの賃金の支払いなどについて話がしたい旨の連絡がありました。
T社の代表者は、ユニオンとの対応に不安を覚え当事務所に相談に来られました。
当事務所の労働弁護士のサポート
ユニオンの要求
当初、ユニオンの要求が必ずしも明確ではありませんでした。
そこで、弁護士は、T社の代理人となったことを通知する文書を送付するとともに、団体交渉を行う前にユニオンの交渉担当者と事前に協議することを申し入れました。
ユニオンの交渉担当者と電話で話をしたところ、YさんとZさんがT社を退職すること、退職にあたって未払賃金の清算と解雇予告手当を要求してきました。
食い違う言い分・・・
T社にこれらの点について確認したところ、未払賃金は存在したため、それは支払うことで異存はありませんでした。
しかし、解雇予告手当については、そもそも、T社としては解雇などしていないという言い分でした。
弁護士としても、T社の主張する事実関係を前提にすれば、解雇の事実はないという主張で十分に戦えると判断できました。
そこで、弁護士は、事実関係を整理した上で、解雇の事実がないことを書面でユニオンに主張しました。
これに対して、ユニオンは事実関係を確認するためにも団他交渉を行う必要があるとして、団体交渉の申入れをしてきました。
団体交渉後の交渉担当と弁護士の協議で合意へ
弁護士同席の下、団体交渉は行われました。
T社には、早期解決の希望がありました。
そこで、解雇の事実はなく一切の支払い義務はないというスタンスを貫きつつも、低額の解決金で早期に解決する方針で団体交渉に臨んでいました。
団体交渉の中では、事実関係について確認を行うとともに、YさんとZさんからは金銭的な要求もなされました。
この金銭的要求は数十万円に及びましたが、団体交渉の中では、T社は、解雇の事実はなく一切金銭的な支払は行わないという回答を行いました。
弁護士は、団体交渉終了後、ユニオンの交渉担当者と電話で協議し、解雇の事実がないことを確認して、最終的にYさんとZさん双方に数万円ずつ支払うことで合意することができました。
弁護士に依頼することで早期解決ことも多々あります
ユニオンが介入した場合には、複数回の団体交渉を経なければ解決しないケースもありますが、ユニオンの交渉担当者と弁護士で協議することで団体交渉を1回あるいは、1回も実施せずに解決できる場合もあります。
本件においても、団体交渉の前に、具体的に双方の主張を確認しておき、団体交渉に臨んだことで進行がスムーズに進み、団体交渉終了後に、交渉担当者と弁護士との協議で合意することができました。
本件では、相手方当事者が合意書を長期間にわたり返送をしてこなかったことなどから、解決期間が長くなりましたが、実質的に要した期間は数カ月程度です。
弁護士に依頼することで交渉がスムーズに進み、早期解決できることは多々あります。
団体交渉の対応については、当事務所の労働弁護士までお気軽にご相談ください。