残業代を請求するユニオンと1度の団体交渉で解決した福岡市のアパレル業B社
業種 | アパレル業 |
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従業員数 | 30人程度 |
ユニオンの要求内容 | 未払い残業代の請求、退職、有給休暇の取得 |
団体交渉実施回数 | 1回 |
解決までの期間 | 1か月程度 |
状況
B社は福岡市内でアパレル業を営む会社です。
Yさんは、B社に3年前に入社し、ショップの販売員として働いていました。販売員という職業上、退社時間は夜遅くなることもありました。
B社の社長は、そのような勤務形態を考慮して、基本給を業界平均よりも高く月額20万円と設定していました。
ある日、労働組合(ユニオン)から団体交渉の申入書が届きました。
団体交渉申入書には、B社がYさんに残業代を支払っていないことからその未払い残業代を求めること、有給休暇の取得、退職を求めて、団体交渉の速やかな開催を要求してきました。また、残業代の額を計算するための資料として、B社の就業規則、Yさんのタイムカードの開示を求めてきました。
B社の社長は驚き、顧問の社労士に今後の対応について相談しました。そして、社労士から当事務所を紹介されて相談に来ました。
当事務所の労働弁護士のサポート
弁護士は労働組合(ユニオン)に対して、受任通知を送付し、今後は当事務所が窓口となることを連絡しました。そして、労働組合(ユニオン)が希望している団体交渉の日時があまりにも急だったため、1週間の延期を申し入れました。
団体交渉の席上で、労働組合(ユニオン)はB社を非難し、怒号や罵声を発しました。
また、未払い残業代として 300万円の支払いを求めてきました。
弁護士は、残業代の額が高額すぎることから支払いに応じられないこと、その他B社の言い分を説明しました。
1回目の団体交渉終了後、弁護士はB社と示談金の額を協議しました。
B社は業績が芳しくなく、支払い能力が乏しかったため、50万円を落としどころにしたいという意向でした。
弁護士は、労働組合(ユニオン)の担当者に非公式の事務折衝を申入れ、1対1で面談しました。そして、B社の財務状況を説明し、減額交渉をしました。
その結果、労働組合(ユニオン)も 50万円での解決を了承しました。
解決金 50万円、Yさんの退職という条件で労使協定を締結しました。
補足説明
労働組合(ユニオン)は、多くの場合、団体交渉の開催を求めて一方的に日時を指定してきます。
しかし、あまりに急だと準備ができなかったり、会社側に予定が入っていることがあります。そのため、当方からは延期を申し入れることがあります。
本件では、仮に裁判になれば、B社は 300万円程度の未払い残業代と、場合によっては付加金として同額の支払いを命ぜられるおそれがありました。
労働組合(ユニオン)は 50万円では納得しない可能性が大きかったのですが、B社の深刻な財務状況について、きちんと説明することで大幅な減額に成功できました。
団体交渉の対応については、当事務所の労働弁護士までお気軽にご相談ください。