雇止めの違法を主張するユニオンと団体交渉を成立させた福岡市内のK社

執筆者
弁護士 西村裕一

弁護士法人デイライト法律事務所 北九州オフィス所長、パートナー弁護士

保有資格 / 弁護士・入国管理局申請取次者

業種 配送
従業員数 10人程度
ユニオンの要求内容 雇止めの撤回、未払賃金の支払いなど
解決までの期間 6か月程度

状況

カレンダーK社は福岡市内でポスティングなどを営む会社です。

約3年前に、YさんとZさんは、求人によりK社に応募し、アルバイトとしてK社に入社しました。

YさんとZさんは、1年更新の契約になっていましたが、3年目を迎えるにあたって、更新に必要な書類の提出をしませんでした。

会社としては更新する意向はあったものの、更新に必要な書類の提出がなかったことから、やむを得ず、雇止めをしました。

ある日、福岡市内のユニオンからYさんとZさんが加入して組合員になったこと、雇止めの撤回と謝罪をすること、これらの点について団体交渉を求めることなどが記載された文書が送付されてきました。

その後、K社は日程調整の上、雇止めの撤回と謝罪などが要求事項とされた団体交渉に応じました。

団体交渉において、K社の代表者は、雇止めは適法に行われたものであり、撤回する必要もなく、謝罪も必要ないというスタンスで交渉を行いました。

これに対して、ユニオンは、K社の行為が不当労働行為に該当するなどと主張し、代表者に対して罵声を浴びせ、激しく非難しました。

 

K社の代表者は、団体交渉において全く建設的な話ができず、見通しがつかなくなったことから、当事務所に相談に来られました。

 

 

当事務所の労働弁護士のサポート

話し合い弁護士は、2回目の団体交渉から同席しました。

弁護士は、2回目の団体交渉の前に、事実関係を整理した上で、YさんとZさんの雇止めが適法に行われたことを説明する文書を送付し、団体交渉の場でも同様にユニオンに説明を行いました。

しかし、ユニオンは、雇止めの違法性について全く譲らず激しくK社の代表者を非難してきました。

ユニオンとK社とでは、前提としている事実が異なり、話し合いは平行線になりました。

弁護士は、建設的な団体交渉を行うために、団体交渉間において、ユニオンの交渉担当者と連絡をとり、書面や電話で争点を確認した上で、団体交渉に臨むように進行していきました。

 

その結果、弁護士が介入して3度目の団体交渉にて、一定額の解決金をK社が支払うことで団体交渉を成立させることができました。

 

補足説明

弁護士鈴木啓太イラスト解雇や雇止めを行った場合に、紛争になることはよくあります。

ユニオンが入った場合には、解雇や雇止めを撤回し、当該従業員を職場に復帰させた上で、慰謝料などの金銭的要求をされることがあります。

解雇や雇止めの適用性を争うことは、会社にとって不利な場合も多々ありますが、ユニオンに言われるがままに、要求をのむ必要はありません。

会社としての言い分を明確にして、法的観点からみても妥当な判断であることをユニオンに十分説明し、団体交渉を進めていくべきです。

本件では、ユニオンが激しくK社の代表者に罵声を浴びせる等したため、団体交渉が一時中断することもありました。

こうした場合には、弁護士が間に入り交渉を進めていかなければ、建設的な話し合いはできないでしょう。

団体交渉の対応については、当事務所の労働弁護士までお気軽にご相談ください。

 

 






  

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