嫌がらせで街宣活動を行うユニオンとの団体交渉を成立させた福岡市の物流会社L社

執筆者
弁護士 西村裕一

弁護士法人デイライト法律事務所 北九州オフィス所長、パートナー弁護士

保有資格 / 弁護士・入国管理局申請取次者

業種 物流
従業員数 80人程度
ユニオンの要求内容 解雇の撤回、残業代請求
団体交渉実施回数 1回
解決までの期間 2か月程度

状況

倉庫L社は福岡市内で物流(トラック運送)を営む会社です。

Yさんは、3年ほど前にL社に社員として採用されました。

Yさんは、ミスが多く、配送中に交通事故を数回起こしていました。

また、事故を起こしても反省の態度を見せず、周囲との協調性を欠く問題社員でした。

L社は、Yさんを解雇しました。

すると、Yさんは、労働組合(ユニオン)に加入し、L社に対して団体交渉の開催を求めてきました。

社長が人事担当の者と団体交渉に参加すると、労働組合(ユニオン)側は大勢参加しており、罵声や怒号が飛び交い、冷静な話合いができない状況でした。

社長が解雇の理由をきちんと説明しても、労働組合(ユニオン)側はまったく聞き入れませんでした。

1回目の団体交渉が終了し、数日後、突然、労働組合(ユニオン)が会社に現れました。

そして、拡声器を使ってL社や社長を激しく罵りました。当然社員や近隣の会社等の耳に入り、L社の評判が毀損されるおそれが生じました。

困った社長は、今後の対応について、当事務所に相談に訪れました。

 

 

当事務所の労働弁護士のサポート

当事務所は、会社側労働専門の弁護士2名を本件の担当弁護士として指定しました。

弁護士は、労働組合(ユニオン)に対して受任通知を発出しました。

また、併せて、街宣活動に対する警告書を送付し、労働組合(ユニオン)の主張が事実と異なっていること、L社の信用を毀損することから、今後、街宣活動の禁止を求めました。

労働組合(ユニオン)は、弁護士に対して、L社との団体交渉を求めました。

面接これに対して、弁護士は担当者同士の非公式な面談(事務折衝)を提案し、直接法律事務所で担当者(執行委員長)と面談しました。

弁護士は、解雇の正当性を主張しつつ、一定の未払い残業代があったことを認め、解決金として給与3ヶ月分を提示しました。

労働組合(ユニオン)は、この提案を受け入れ、早期の示談が成立しました。

 

補足説明

労働組合(ユニオン)と一口に言っても、好戦的な労働組合から比較的紳士的な労働組合まで様々です。

中には、積極的に街宣活動を行う労働組合もあります。

街宣活動では、事実と違うことを、拡声器を使って怒鳴り上げるようなことがよく見受けられます。

会社に嫌がらせを行うことで、自分たちの要求に屈服させようとしているものと思われます。

本件では、弁護士が会社の信用を傷つけないように配慮し、労働組合(ユニオン)と事務折衝を行い、早期に、かつ、妥当な線での解決が可能となりました。

違法な労働組合(ユニオン)の活動の差止めについてはこちら、Q&A「違法なまでのユニオンの活動を止められませんか?」もご覧ください。

団体交渉の対応については、当事務所の労働弁護士までお気軽にご相談ください。

 

 






  

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