違法なまでのユニオンの活動を止められませんか?
当社が従業員を解雇した裁判で、解雇が有効とする判決が確定しました。
ところが、当該労働者が加入した労働組合(ユニオン)が当社や社長の自宅に赴いて、街宣活動や面会の強要を行っています。
このような労働組合(ユニオン)の活動を差し止めることはできないのでしょうか?
労働組合(ユニオン)の活動が違法であれば、裁判所に対して、街宣活動等の禁止の仮処分を求めることができます。
問題の背景
労働組合が使用者にプレッシャーをかけるために街宣活動を行うことがあります。
その活動が正当なものであればいいのですが、しばしば虚偽の事実や会社の名誉・信用を不当に傷つける違法活動がなされることがあります。
このような場合、労働組合に対して街宣活動の差止めや損害賠償請求を求めることがあります。
仮処分の申立て
仮処分の申立ては、仮処分申立書を管轄の裁判所に提出して行います。
管轄裁判所
管轄裁判所は、①本案がすでに継続している場合は、その裁判所、本案が未継続の場合は、将来管轄裁判所となるべき第一審裁判所と、②仮に差し押えるべき者又は係争物の所在地を管轄する地方裁判所です。
仮処分申立書
今回のケースを想定した仮処分申立書の書式です。
仮処分の要件として、①被保全権利の存在と、②保全の必要性が求められていますので、これらを基礎づける内容を申立書に具体的に記載し、証拠資料を提出します。
ただし、これらの要件の存在は疎明で足ります(民保法13条)。
①被保全権利の存在
労働組合の違法活動を差し止める保全処分の被保全権利は、代表者については、「平穏に生活を営む権利及び名誉・信用を保持する権利」、会社は「妨害も受けずに事業活動を営む権利及び名誉・信用を保持する権利」と考えられます。
②保全の必要性
仮処分命令は、「債権者に生ずる著しい損害又は急迫の危険を避けるためこれを必要とするとき」に認められます。そこで、これを基礎づける事実関係を具体的に記載します。
今回のケースでは、解雇を有効とする判決が確定した後も、労働組合が会社や代表者の自宅前において、街宣活動、面会強要等の違法な活動を継続していることから今後も同様の違法活動が継続されることが予想されることや、それによって、代表者や会社に著しい損害が発生することを記載します。
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